台風19号の記録的豪雨から、ちょうど1ヶ月が経った11月12日。千曲川の決壊により甚大な被害を受けた長野県穂保を、再び訪れました。着実に復興に向けた作業が進んではいるものの、いまだ多くの瓦礫や泥が積み上がり、その復興への道程はまだまだ始まったばかりであることを示していました。
ボランティアの「たすき」をつないで。
この大きな災害を前に、私たちは何ができるのだろう?そう考えた時、私たちは社員を「たすき」をつなぐように、現地に派遣することを決めました。ずっと現地に滞在することは難しい。でも、社員同士で情報を共有し、次の社員につなぐことはできると考えたのです。発災直後から、各地の被災地でKEEN 社員が微力ですが、自分たちのできることを、という思いで活動を続けています。
この日、私たちはパートナー団体の『OPEN JAPAN』と、『DRT Japan』の活動地域に合流。山と積まれた瓦礫の除去作業などのボランティア活動に参加しました。今回はアメリカ本社からも力強い助っ人が参加してくれました。
中には、初めてボランティアをする社員もいました。
「初めての災害ボランティアで、来る前は自分に何ができるのか不安でした。現場で実際の状況をみて、事の悲惨さを改めて実感しました。ニュースだけでは伝わらない、「百聞は一見にしかず」とはこのことでした」
「1 日かけても瓦礫の一山も片付けることができず、自分の力の小ささに気づかされ、落胆しました。しかし作業以外でも、その場所にいた方々に出会ってお話しができ、それは私にとって最も貴重な経験となりました。」
みんな、短い時間であっても、その被害の大きさに落胆し、伝えていかなくてはと思い、人の優しさにふれ、大きな意義を見出すことができているのです。
赤く実ったりんごを、落とす。
ここ穂保は全国でも有数のりんごの名産地ですが、この度の災害で多くのリンゴ園が甚大な被害を受けています。リンゴ園を歩くと、赤く実ったリンゴが無残にも地面に落とされています。
このリンゴ、実は農家さん自身やボランティアの手によって落とされているのです。泥をかぶってしまったリンゴは出荷することができず、こうしないと逆にリンゴの木に負担をかけ、来年のリンゴにも影響がでてしまうから。
本当だったら、出荷の最盛期。赤く実ったリンゴを地面に落とす作業は、本当に悲しく、辛い作業です。
農地の復旧は人手が追いついていません。それは、住宅への対応が優先されているから。一方で、農地の復旧はこの地域に暮らす方々にとって急務です。
泥が堆積していると果樹の根の息ができず、長引けは木が枯れてしまうことも。私たちも、木の根元に堆積した泥を取り除きましたが、本当に大変な作業で、ボランティアの力なしには終わらすことができないと痛感しました。
チカラを一つにすれば、きっと前にすすめる。
皆で、お母さんと慕っていたリンゴ農園の女性が言った言葉―――。
「被災当初の事を思い出すと泣きそうになるの。
お父さんと二人でどうしようと途方に暮れたのよ。
でも、皆さんがこうやって来てくれるから」
その言葉に、1人の力は小さくても、みんなが集まれば大きな励ましになるように感じました。現地の様子を動画にまとめました。ぜひ御覧ください。
足元を暖かく支えたい。
水害で家財と一緒に履物もすべて流されてしまった方も多くいらっしゃるとお聞きし、私たちは300足程のKEENシューズを持参し、今回KEENがボランティアに参加させていただいた地域の被災者の皆様へお渡しさせていただきました。
「これから寒くなる長野の冬に向けての準備ができると喜びの言葉もいただけて、本当に嬉しかった」とスタッフの1人は言います。
「マッチングペイ」という寄付のカタチ。
KEENは、現在1,000万円を目標とした、寄付をマッチングペイで募っています。あなたがもし、1,000円寄付してくだされば、KEEN が1,000円を寄付します。集まったご寄付は「OPEN JAPAN」に寄付し、台風15号・19号の災害支援活動費として活用されます。
詳しくはコチラを御覧ください。
KEENはこれからも、スタッフのボランティア活動を推奨し、微力ですが被災地の皆さんのお力になれればと活動を続けていきます。
今回お世話になった、塚田りんご園の皆さんと、そこで活動されるボランティアの皆さんと一緒に。
▼関連リンク
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