5,000人もの人が福島に集ったフェスティバル
3月11日。この日のことを、多くの人が「特別な日」だと感じているに違いありません。東北の人も、この日をきっかけに東北を離れてしまった人も。そしてこの日以降、東北に思いを向ける人も。3月11日に「SONG OF THE EARTH(SOTE)」は開催されました。そもそもSOTEは、2004年に起きた新潟中越地震の後に「にいがたからみんな笑顔に」をスローガンにスタートしました。福島では2017年に初開催され、コロナ禍によって無観客での配信のみという年もあったものの、途切れることなく毎年3月11日に開催されています。今年は「SONG OF THE EARTH 311 -FUKUSHIMA 2023-」として、11日のFESTIVALを中心に10日から12日までの3日間に渡って行われました。
2023年は3月11日のFESTIVAL当日が土曜であり、この時期の東北とは思えないほど暖かくて過ごしやすい日になったこともあり、5,000人もの方々がJヴィレッジに集いました。お目当てのミュージシャンのライブを目的にした人、サッカーのSOTEカップに参加した家族、出店するいろいろなブースでの物販や飲食を楽しみにしている人、灯されるキャンドルに自分の思いを託したい人…。SOTEは様々な思いを持った人が集う場所として存在しています。それを改めて感じられる一日になりました。
KEENブースのウッドペンダントライト・ワークショップに多くの人が参加
音楽(ライブ)や飲食や物販などの出店、ワークショップなどを媒介にして、同じ時間を共有して人と人が繋がっていくのがフェスの魅力に違いありません。KEENも物販とウッドペンダントライトのワークショップで参加し、多くの方々がブースに立ち寄ってくれました。
フェスは谷本賢一郎(タニケンバンド)× 福島LOVE FOR NIPPON ステージから始まりました。福島出身の片平里菜さん、the LOW-ATUSとライブが続いて行きました。そして14時46分から黙祷。
お互い様って言える関係性を構築していくこと
黙祷のときに、主催のCANDLE JUNEさんはマイクを持ち、こんなことを語りました。JUNEさんは東日本大震災が起こってから、月命日の11日には毎月必ず福島に赴きキャンドルを灯しています。
「この黙祷のひと時をみんなで共有できたことがいいなって思いました。今年はたくさん来てくれました。ありがとうございます。追悼式典を(ここでは)しないんです。悲しみを伝えることじゃなくて、悲しみが起きた時にどうすればいいのか。それぞれができることで繋がって、問題を解決して喜び合うってことを伝えていきたいんです。『お互い様だからさ』って助け合えることができるかっこいい大人達が、毎年ここに集まってくれていると思っています。かっこいい大人達が、思いっきり遊んだり喜んだり、時には涙して過ごす時間を子供達に伝えていく。そしてもっともっとこのエネルギーが広がっていけば、誰かのせいにして終わりじゃなくて、じゃあどうするっていうことがどんどん生まれて、かっこいい日本になるんじゃないかなって思っています」
黙祷が終わってから、ステージではCaravanさん、青谷明日香さん、くるくるシルク、MOROHA、清春さんのライブは続いていきました。日が落ち暗くなってから、多くのキャンドルが灯されます。キャンドルが置かれているのは福島県をかたどったスペースでした。福島から喜びを伝えていきたい。そんな気持ちがここにも表れているに違いありません。
東日本大震災を忘れないこと、そして震災で生まれてしまった悲しみから多くの喜びも生まれていることを再確認すること。毎年、SOTEに参加している理由はここにあるのでしょう。