ストーリー画像-環境にもお財布にも優しい、マイボトルと歩こう。
ストーリー画像-環境にもお財布にも優しい、マイボトルと歩こう。

環境にもお財布にも優しい、マイボトルと歩こう。

6月8日「世界海の日(WORLD OCEANS DAY)」から、7月20日の「海の日」の1か月半、KEENは、プラスチックごみ問題に取り組むNPOや団体の皆さまと、“HOW WILL YOU REDUCE YOUR SINGLE USE PLASTICS?”キャンペーンを実施しています。毎週様々なトピックをご紹介して、まず、プラスチックごみについて知ることからはじめよう、という取り組みも今回が連載の最終回です。

7月20日は海の日。海の恩恵に感謝する日です。世界でも海の日を国民の祝日にしているのは日本だけだとか。沢山の恵みをくれる海に感謝しながら、今日も、いま大きな問題となっている海のプラスチックごみについて考えていきましょう。

6月22日にお届けしたブログでご紹介した、日本人が年間に32Kgものプラスチックごみを出しているというデータと、西表島に漂着している多くのペットボトルのごみの写真に衝撃を受けた方もいたのではないでしょうか。

こんな現状を見て、ふと考えます。喉が乾いたらペットボトルを買う。このループからなんとか抜け出せないか?と。

そんな思いにこたえてくれる、マイボトルに無料で給水できるスポットを探せるアプリ「mymizu」が2019年9月誕生しました。この給水アプリ「mymizu」を開発し運営しているイノベーターお二人が、今回の主人公です。


ペットボトルがなくても、なにも困らない、ということ。

「きっかけは沖縄の海で見た、ビーチを埋めつくすほどのプラスチックごみでした」と語ってくれたのは、「mymizu」の共同創立者であるマクティア・マリコさんとロビン敬・ルイスさんのお二人です。マリコさんは海外でジャーナリストとして、ロビンさんは国際NGOのスタッフとして、サステナブルな消費スタイルや社会問題にどうすれば多くの人が関心を持ってもらえるか、ずっと考えてきたと言います。

「目の前の無数のプラスチックごみを見て、正直どこから手をつけていいのか、どうしていいかわかりませんでした。でも、何かこの消費スタイルを変えるキッカケを作る必要があると思いました」と、マリコさんは語ります。

「調査を進めるにつれ、日本のリサイクル率の実情にも愕然としました」と語るのはロビンさん。「日本の便利であるが故のプラスチックの利用頻度の高さや、リサイクルされているはずのものの多くが燃やされている。それら全てのシステムを根本的に変える必要があると考えました」。

「その象徴ともなるとおもったのが、ペットボトルでした。というのも、ペットボトルは、一番身近なもの。でも実はなくても生活できる。そして、色々と調べていく中で、ペットボトルは日本で年間252億本も消費され、そのうち39億本がリサイクルされていないという事実も知った時、これは取り組みがいがある、とおもったんです」とマリコさん。

一方、ペットボトルの代わりにマイボトルを持つ人は、まだ多くありません。理由はいろいろです。子供のとき水筒は使っていたけど、大人になってからはペットボトルの方が便利。だいいち給水できる場所がわからない…と言ったことがネックと感じる人も多いという事が、色々とリサーチをしていく中で分かってきたという2人。

給水スポットと人をスタイリッシュにつなぐアプリを作ることで、「マイボトルを持つことの方が、便利でかっこ良い」という考え方が広がる土台をつくろうと決心します。


便利、スタイリッシュ、だから人に伝えたくなる

そして二人は、ついに動き出します。使い捨てプラスチック消費を減らすこと。そして、人々の消費行動を持続不可能から環境に責任を持つものに変えることをミッションとして「mymizu」プロジェクトをスタートさせます。その象徴的な取り組みともいえるのが、無料で給水できる場所を簡単に探せる日本初の無料給水アプリ「mymizu」

早速ダウンロードして使ってみました。アプリを開くと、今自分がいる場所から近くにある「公共施設」や「お店/カフェ」などの給水スポットが表示され、経路も検索できます。

そして、これらの給水スポットで給水したことをアプリに記録すると、自分本人とmymizu参加者全員のペットボトル削減本数、CO2量、節約金額が「給水トラッカー」に表示され、「もっと増やそう」というモチベーションに火をつけてくれます。

「公共の水飲み場などの給水スポットは誰でも自由に登録できて、SNSなどで近所の友人や知人に教えてあげたくなるんです。給水できるスポットは、カフェや飲食店などのお店、公園や駅などの公共施設、そして湧き水など、私たちのまわりにたくさんあることにも気づきました」とKEENでもmymizuを愛用するスタッフは言います。

現在、ダウンロード数は約31,000、給水スポットはなんと20万か所にも上ります。メインは日本ですが、アフリカや中近東、ロシア、中国など世界中に広がってきているのがわかります。

mymizu の紹介動画を見てみましょう。


一人ひとりが社会の仕組みを変えていく重要な参加者

どんなこともゼロから立ち上げるのは大変です。まして2人はアプリを作った経験もありませんでした。

「最初は『日本じゃできないよ』と言われました『ニーズないしね』と飲料メーカーの方にも言われました。“日本では無理”“興味がない”。これは散々言われた言葉です」。

ところが立ち上げた直後、奇跡が起きたと言います。「これすごい。待ってました!というコメントを沢山もらったんです。日本人はサステナビリティに興味がないのではと言われていたけど、蓋を開けてみたら実は沢山いた。うれしかったです」。奇跡でもなんでもない。可視化することで、潜在的なニーズが顕在化した瞬間でした。

「1日の給水量や利用人数をアプリが可視化することで、世の中に“給水所の需要”を示すことができました。一人でも多くの人にアプリを使ってもらうことが、大きな“声”として、社会に示すことにつながり、社会を大きく動かすチカラになると確信しています」とロビンさん。

なるほど。『自分の行動を記録する』ことが、プラスチック削減のだいじなKEYになる。私たちは、社会の仕組みを変えていく重要な参加者なんです。

「ペットボトルの削減はもちろんですが、人々の消費行動を環境に責任を持つサステナブルなライフスタイル変えていくことをサポートする。それが、mymizu です」

そのためサステナビリティや環境保護の重要性について考えてもらうワークショップ、コンサルティングサービスなどを実施したり、様々な企業とのコラボレーションを行ったり。多くの人にきっかけを作り、新たな社会の波を起こすことに取り組んでいます。


できるところから、消費行動をかえていこう

最後にプラゴミを減らすのに私たち一人一人ができることはなんでしょう?

「まず何かを買う時にはプラスチックが少ないものを選ぶことが第一。第二にmymizuアプリを使ってみて(笑)、簡単なところから消費行動を変えていく。いまそれができるようになってきたんです」とロビンさん。

「ときどき“近所に給水スポットがない。このままでは増えないのでは?”というフィードバックがあります。でも、ちょっと待って。このアプリは自分で写真を撮って投稿できるんです。そして、お店にも紹介できるように、アプリのメニューに「紹介する」というオプションがあるんです。なので一般ユーザーでも好きなカフェやお店に簡単にmymizuを勧めることができるようになったんです!変革は与えられるのではなくて、一人一人が作っていくもの。ひとりのチカラは、私たちが考えている以上に大きいんです」と強調されます。

プラごみを減らすヒントは、今あなたがこれを読んでいるスマホの中にあったんです。あなたもぜひ、ダウンロードしてmymizuの一員になりませんか。


編集後記

7週間にわたって、連載を続けてきた、HOW WILL YOU REDUCE YOUR SINGLE USE PLASTICS?シリーズ。いかがでしたでしょうか。

各団体さんのお話の中で共通していたこと、それは、『私たち、一人ひとりの行動・選択が世界を変えていく』という思いでした。小さな一歩でも、まず始めること。それがやがて大きなムーブメントになって世界をポジティブに変えていける。そんなことを強く感じた7週間でした。

私たちKEENも、2020年の春夏モデルから多くの商品でペットボトル再生繊維を使ったモデルを発表しています。その量をペットボトルに換算すると約50万本。小さな一歩かもしれませんが、世界をより素晴らしいカタチで未来に残していくためにこれからも努力を続けていきます。

KEENの環境に配慮したシューズづくりについて、詳しくはこちらから。
CONSCIOUSLY CREATED -地球と人にやさしいツクリカタ-


▼関連リンク

mymizu


▼HOW WILL YOU REDUCE YOUR SINGLE USE PLASTICS?

BLOG #5:環境にもお財布にも優しい、マイボトルと歩こう。

BLOG #4:使い捨てのプラスチックを減らすヒントは野外イベントにあった!

BLOG #3:日本人は年間32KGものプラスチックごみをだしている

BLOG #2:海ゴミの約8割は街からやってきている

BLOG #1:HOW WILL YOU REDUCE YOUR SINGLE USE PLASTICS?”