ストーリー画像-ぼくは、声なき子どもたちの「声」になりたい。映画『ぼくの こわれない コンパス』クラウドファンティングがスタート
ストーリー画像-ぼくは、声なき子どもたちの「声」になりたい。映画『ぼくの こわれない コンパス』クラウドファンティングがスタート

ぼくは、声なき子どもたちの「声」になりたい。映画『ぼくの こわれない コンパス』クラウドファンディングがスタート

今まさに、あるドキュメンタリー映画の制作への、クラウドファンティング※がスタートしようとしています。私たちが無関心ではいられない、でもなかなか表にでることの無い、社会問題を扱ったこの映画の完成に向けて、あなたの協力が必要です。

※本クラウドファンディングは、2019年7月21日~9月19日まで実施され、皆さまからの温かいご支援により、目標金額を達成することができました。心より感謝申し上げます。

児童養護施設に暮らす、約2万5000人の子どもたち

現在日本では、生みの親と暮らせず、児童養護施設に暮らす2歳から18歳の子どもたちが約25,000人*います。里親家庭や乳児院などのその他の社会的養護下に置かれている子どもたちを含めると、約45,000人*にも上ります。

日本の児童養護施設に入所している子どもたちの内、約6 割は虐待を経験しています*が、この子どもたちには、カウンセリングなど、十分なメンタルヘルスのサポートが無く、さらに、原則18歳の高校卒業と同時に施設を退所することが定められており、まだ経済力がない中、衣食住すべての自立が求められます。(出典:*厚生労働省統計)

児童養護施設で暮らす子どもたちがアウトドア体験を通して、自分の道を自分の力で切り拓けるチカラを育むことを目的として活動を展開する『NPO みらいの森』を、私たちKEENも様々な形でサポートしています。そして、今日ご紹介する映画は、そのNPO法人「みらいの森」のプログラムが舞台の中心で、主人公は、このプログラムに参加していたトモヤさん(以下敬称略)です。

3.11がトモヤがの生活を一変させた

2011年。11歳だったトモヤは、福島県の海沿いの町に、祖父母と共に暮らしていました。その穏やかな暮らしは、大津波とともに一変します。何年も会っていなかった、母親と彼女の新しい家族と暮らすことになったのです。

様々なことが立て続けに、幼い彼を襲います。被災、引っ越し、新しい家族、新しい学校。そして、ネグレクト―――。東京の児童養護施設に保護されるまで、1年半もの間、彼は1人で抱えきれない程の喪失、悲しみと共に生きてきたのです。

新しい生活と、新しい経験が、ぼくを強くした。

児童養護施設での生活は、彼にとって嬉しい驚きで満ちていました。新しい友だち、安心して暮らせる家、そして、アウトドア・プログラムとの出会い。

震災から3年後の夏、とあるサマーキャンプに参加したトモヤ。そのサマーキャンプは、アウトドア・プログラムを通して生涯の糧となる体験を創り出し、これまでに何百人もの子どもたちの成長をサポートしてきた「NPOみらいの森」のキャンプでした。

ぼくは、声なき子どもたちの「声」になりたい。

トモヤは、児童養護施設での暮らし、キャンプでの新しい経験、新しい出会いを通じて、日々成長し、自分自身に新しい可能性を発見することになりました。

この映画の監督、マット・ミラー氏との出会いも、彼の意識を大きく変えていきます。そして、日本中にいる、自分と同じような境遇にある子どもたちの、声なき声の代弁者にならないといけないと気付き、決意を固めたのです。

映画「ぼくのこわれないコンパス」10分特別版

映画のタイトル「ぼくのこわれないコンパス」は、そんな日に日に成長していく、トモヤや子どもたちの心を表しています。心の示す方へ、自分の心を信じて進む、誰にも壊すことのできないコンパス。

カメラはトモヤ自身、そして子どもたち自身の目となり、様々な背景を持った子どもたちの心や、施設での毎日の暮らし、彼らが大自然の中で「生きる力」を取り戻していく道筋を、 詩的に映し出していきます。

ここで10分の予告編をご紹介します。一部、3.11の映像や、DVを連想させる描写がありますのでご注意ください。

<映像視聴時のお願い>
この映像には、東日本大震災の地震・津波の被害、そしてDVを連想させる映像や画像が含まれています。このため、映像をご覧になった時に精神的なストレスを感じられる方もいらっしゃる可能性があります。ご自身の判断にてご覧いただきますようお願いいたします。また、視聴いただく際には、ご自身だけでなく周囲の方々にもご配慮いただき、十分ご注意の上ご覧ください。小さいお子様がご覧になるときはなるべく保護者の方もご一緒いただくようお願いいたします。


日本の養護施設で育った父のルーツを辿って

なぜ、この映画を作ることになったのか。それは、この映画の監督であるマット・ミラーさん(以下、敬称略)の背景にまでさかのぼります。

マットはアメリカ生まれ。そして彼の父親は日本で生まれ、第二次世界大戦の混乱の中、児童養護施設で育ち、10歳の時に養子としてアメリカに移り住みました。孤児として当時の児童養護施設で育った父親のルーツを辿りたいと2006年に来日したマットは、現在も沢山の子どもたちが児童養護施設で暮らしている現実を知ることになりました。

それ以来、映像作家であるマットは、ボランティアとして「みらいの森」のキャンプの様子を映像におさめるようになったのです。そして、これを映画にしようとプロジェクトが2年前スタートしました。

当初映画は、15分程のショートムービーとなる予定でした。しかし、トモヤの決心をうけ、撮影を進めていくなかで、90分程の長編映画にする方針が固まっていきました。

今、あなたのご寄付が、社会を変える力を持っています。

この映画は、子どもたちの心に光を当てネグレクトなどの子どもを取り巻く問題と、議論されることの少ない児童養護施設に入所した後にも続く、子ども達のトラウマに正面から向き合います。

「私にとって、児童養護施設は我が家でした。心から安心して日々を送れることが私の人生を好転させてくれました。多くの子ども達が同じ気持ちだと思います。一方で、児童養護施設に暮らす子どもたちの多くが心の傷を負っていますが、それに対する心のケアが足りていないことは大きな社会的問題だと感じています。この映画を通して、一人でも多くの人に、カウンセラーらによるケアを必要としている大勢の子ども達がいる事実を知っていただきたいのです」とトモヤは語ります。

この映画をキッカケに、子ども達に対する社会保障のシステムの変化へとつなげていきたいと決心し、前を向き歩き続けるトモヤに周りの大人達も心を動かされ、賛同の輪が徐々に広がっています。このブログを書いている、KEEN EFFECT担当である私自身もその一人です。

「私は法律を作ることはできませんが、映像作家である私は“意識を変えるきっかけ”を創造することができます。社会から取り残された声なき子どもたちの声を社会と共有するために、映画というプラットフォームを通して積極的な役割を果たせるはずです。この映画に心動かされない人はいない、と確信しています」と、監督のマットは語ります。

ぜひ、あなたもこのプロジェクトの一員となってください。

KEENも、このプロジェクトをサポートしていきます。


■寄付先:こちらのクラウドファンティング・ページから簡単に行うことができます。

■クラウドファンティング期間:(終了しました)

※500万円を集めることを目標とし、到達しない場合は、1円も受け取ることができない「All or Nothing方式」を採用。

※クラウドファンティングの受取先は、本映画の実行委員会となります。(KEENではありません)

※返礼品にKEENが含まれるものもあります。ぜひ、御覧ください!


▼関連リンク

*ぼくの こわれない コンパス 公式WEBFacebookTwitterInstagram

NPOみらいの森