ダメージを残さずに自然を楽しむための7原則 Leave No Trace研修に参加!
December 13, 2024Dec 13, 2024
living outside
「Leave No Trace(リーブ・ノー・トレース(以下LNT)」は、1970年代にアメリカで生まれ、環境配慮のテクニックが詰まった7つの原則を基にした環境倫理プログラム。
自然と接する際のテクニックが分かりやすく解説されており、今では90を超える国で広がりを見せています。先日、KEENスタッフ向けにLNT研修が開催され、そのレポートをこちらからお届けします。
全ての人が環境へのインパクトを最小限にしつつアウトドアを楽しむためのアウトドアの行動原則として活用できると、各国のアウトドアフィールドで取り入れられている、LNT。今回の研修で、この7原則を学んでいきます。
原則1 事前の計画と準備
原則2 影響の少ない場所での活動
原則3 ゴミの適切な処理
原則4 見たものはそのままに
原則5 最小限のたき火の影響
原則6 野生動物の尊重
原則7 他のビジターへの配慮
アウトドアライフのために生まれたKEENは、自分たちが暮らし、遊び、働く場所を守る責任があると考えています。素晴らしいこの自然をこの先もずっと残すため、そしていつまでもアウトドアを楽しむためにも、KEENの一員としてLNTを一人でも多くの仲間に正しく伝えられるようにしていきたいと総勢17名の社員が2日間の環境倫理プログラム「LNTレベル1 インストラクターコース*」を受講してきました。
*LNTの知識と技術を身につけ、LNTワークショップを指導できる資格を取得することができるコース
今回の講師(リードインストラクター)はLNT JAPAN設立者の岡本泰斗さんと、LNT level2インストラクターの資格を持つ佐藤颯さん。お2人と一緒に体験的に学び、自らも勉強しながら学び合う手法でコースが進みます。
1日目。私たちは5つのグループに分かれました。このグループにはLNT7原則のいずれかの1原則を「自らが先生として他のグループのみんなに教える」というミッションが課せられます。各グループでは与えられた原則を十分に理解し、どのように伝えればいいかを話し合い、それを元に、他の参加者にティーチングします。ティーチングが終了すると、生徒役の参加者によって、よかった点、このようにした方がわかりやすかった等の評価(フィードバック)が毎回行われます。その後リードインストラクター岡村さんからもフィードバックをいただき、改善点やLNTの理解が深まるという仕組みです。
2日目。LNTの基本、登山に行く前の心構えを岡村さんより学び、筑波山登山がスタート。この日は登山をしながら、各ポイントでティーチングを行います。ティーチングフィードバックを受けながらコースが進むので、どんどん発表者の精度が上がっていきます。どうやって伝えるべきか、伝わるのかと、頭をフル回転させながら筑波山を登っていきます。
私にとって新しいこの勉強スタイルは多くの学びがあり、普段の仕事でも活かそうなのはもちろん、実際に体験することで、LNTに関する知識がしっかりとインプットされました。
参加した社員メンバーからは
「アウトドアは厳しいルールを設けて遊ぶものではないということがわかった」
「やっぱりLNTを意識しながら自然に行くと、行動が変わるな。と感じました。今後もうちょっとずつ、『自然』が嬉しい行動は?というのを考えつつ、アウトドアを楽しみたいと思いました」
「LNTでは、強制やルールはなく、あくまでも考え方や楽しみ方の1つとしてLNT原則があると感じた」
「自分のアウトドアへの向き合い方も少し気軽になり、より一層楽しめる気がしています」
「参加前は、『環境に優しく』っていう大きな枠としてしかみていなく、どうするべきなのかもよくわかっていなかったが、実際にやってみて、その本質がどこに繋がっているのかを知ることにより、意識が変わったと思う」
その他ティーチング以外に仲間からも学びがありました。登山を趣味としているチームメンバーは、落ちていたタバコの吸い殻を拾い、事前に準備してあったゴミ袋に入れて持ち帰るという、なんとも模範的な行動をしていました。
またあまり登山が得意ではないメンバーのために、荷物を代わりに持って登るなど、それぞれのペースに合わせて、声を掛け合いながら登れたため、色々な思いやりに触れられたのはもちろん、部署間を越え、チームビルディングとしてもとても効果的な研修となりました。
研修を通じて、LNTは、ルールではなく、倫理であることが、素敵な部分だとわかりました。どうしても環境問題となると、賛成の人、反対の人という白黒両極端になりがちですが、『LNTで大事なことはグラデーションである』という考え方を岡村先生から教えていただいたことが、目から鱗でした。誰もが楽しめるように、これが浸透するといいなと思います。
アウトドアはみんな平等に自然を楽しむ権利があって、楽しみ方もそれぞれ違うがそれでいい。難しいことを考えずに、自然への優しさを持ちながら自分ができることをすることが大切だと学びました。
少しでもLNTに興味を持っていただけた方は、ぜひLNTのサイトにLNT7原則をチェックしてみてください。アウトドアを楽しむヒントになると思います。https://lntj.jp/lnt7principle/
「Leave No Trace(リーブ・ノー・トレース)」
岡村泰斗さん Leave No Trace Japan代表理事
Leave No Trace Japan創立者、代表理事
2000年に筑波大学にて野外教育に関する論文では国内初となる博士号取得。その後奈良教育大学、筑波大学で野外教育を指導。2011年に現在の会社を主宰し、日本全国で、野外企業研修、野外指導者養成などの人材育成を行う。
環境負荷を最小限にして、アウトドアを楽しむための行動基準を提唱している「Leave No Trace Japan」とのコラボレーションモデルは今年で2回目。本製品の収益の一部は「Leave No Trace Japan」の活動を支え、企業パートナーとして応援します。
KEEN × Leave No Trace Japan Color Direction by Kazuhiko Kai