LIFE IS KEEN vol.3
なかもと家

Togetherness, Originality, Doing Good. この3つをモットーとするLIFE IS KEEN。
自分のため、みんなのため、そして、私たちが踏みしめる、この地球のために。1歩。たった1歩だけでも、きのうより外に踏み出すことができれば、毎日は変えられる。世界にポジティブな変化をつくり出すことをテーマに、様々な分野で活動する方々のストーリーに迫る。
【Togetherness】
主義や価値観の違いなんてあたりまえ。
だからこそ、そんな違いを尊重しあうことができれば、
きっと、ひとつになれるはず。みんな、いっしょに、前を向いていこう。
【Originality】
だれもがありのままに、自分らしく生きることができれば、
もっと、世界はおもしろい。
さぁ、自分らしさを研ぎ澄ませよう。
【Doing Good】
わたしたち、ひとりひとりにできることは小さい。
だけど、みんなができることを積み重ねれば、
大きな課題だって、かならず解決できる。
地球のため、仲間のため、そして、なにより自分のために。
日照りが強く、蝉しぐれがどこからともなく響き渡り、ほのかに肌をなでる土や草の匂いが混じった風が、夏の到来を告げてくれる。そんな季節に伺った「なかもと家」。撮影場所でもあるご自宅の屋上平家ハウスへ向かうと、広々としたベランダにテントが張られ、その下に置かれた子供用プールではしゃぐ姉妹の姿が見えた。そして、こちらに気づくなり「こんにちはー!」と、屈託のない笑顔で迎え入れてくれたのは、なかもと家のご夫妻だ。なかもと家は、Instagramに投稿されるクスッと笑ってしまうような家族写真と一言コメントが話題を呼び、瞬く間に多くのフォロワーを獲得している。「まいにちを楽しく」をモットーに、屋上平家ハウスに父、母、娘二人の家族四人で暮らし、アウトドアや自転車に旅行と、自然に近い生活を送っている。そして、そんな家族と実際に話をしてみると、投稿される写真のイメージと変わらない、自然体で飾らないオープンなマインドと、流されるままに、常に目の前にある出来事を楽しむ姿勢が感じられた。

そもそも、なかもと家がInstagramに投稿を始めたのは、コロナ禍になった直後だった。父が働く喫茶店が2ヶ月閉まることになり、家族といる時間が増えたことから、せっかくなら写真を撮ろうという思いつきで投稿をスタートさせる。カメラを向けるとふざけてくれる母と二人の娘がいてくれることで、撮影が楽しくなり今まで続けられていると話す。そんな写真投稿の場所として1番多く写っており特徴でもあるのが、この屋上平家だ。

上)ベランダに置かれているのは山桃の植木で、屋上緑化を行う株式会社ボスケからプレゼントされたもの(下)搬入時の様子(photo:父)
父:アパートの屋上なので開放的で、コロナ禍でも外みたいな生活ができて、季節を感じやすいのはすごく良かったですね。窓を開けっぱなしで過ごせるのは気持ちがいいですよ。
母:もともと2人で中野区に住んでいたんですけど、子供が生まれるタイミングで、屋上平家の物件を見つけたので引っ越してきたんです。意図していなかったのですが、ここに越してきてから、おのずと自然と触れ合う機会が増えました。子供がチョークを使ってベランダに落書きしていたり、目の前に河川敷があるので、そこまで連れて行って川遊びなんかもできますからね。
子どもたちがベランダにチョークで描いたらくがき
父:よく河川敷まで出かけて、コンビニでファミチキを買って食べて、カップラーメンをすするとか。アウトドアするぞ!という感じでもなく、目の前にあるものを使って、手ぶらでも楽しめる環境が僕らの生活と合っているんですよね。

母:私たちのテーマが、『流されるままに』なので、その方が楽しいんですよ。
偶然見つけた、自然と近い距離に佇む自宅を有効活用しているなかもと家。流れに身を任せる家族のライフスタイルはというと、父が10代から20代のころに得た経験がベースになっている。
父:学生時代はヒッチハイクで出かけることにハマっていました。中学生の頃に始まり、東京から沖縄まで行ったこともあります。それから20代は海外をバックパッカーとして旅行していました。今思えば話せないようなことばかりな旅行でしたが、どんな場面でも何とかなったので、「流れに流されてれば大丈夫!」となんとなく思っています。日本に帰ってきてからもスム場所がなくて、拾ったギターを路上で弾いて日銭を稼ぐ暮らしを半年くらい続けてもいました(笑)。
父が日本に帰って来た当時、路上で弾いて日銭を稼いだというギター

そんななかもと家の自然体でありながらオリジナリティ溢れる生き方に共感したKEENは、彼らを<LIFE IS KEEN>のグローバルキャンペーンに起用し、米国や国内のキャンペーン広告に登場している。そして、なかもと家にとってもKEENは欠かせない存在になっているのだそう。
父:僕らの生活とKEENってすごくマッチしていると思うんですよね。自転車に乗るときもつま先が守られているんで、安心ですし、水辺に行くことが多いのでそんなときも重宝しています。なんなら仕事中も使っていますよ。
母:そうだね。どんなシチュエーションでも使えるよね。家族みんなで。
左手前・奥:NEWPORT H2、右手前:UNEEK II OT
最後に、これからのInstagramでの活動の目指す先があるのか聞くと、彼ららしい返答が返ってきた。
父:今後の目標はないです!カメラもボロボロだし、家族が一緒に写真を撮ってくれて、面白いと好奇心を掻き立てられるうちは、続けていきたいなって思っています。そうしていられるうちが最高だなって。


部屋の窓から外に目を向けると青空が空一面に広がり、一歩ベランダへ足を踏み出すと風が心地よく、季節を肌で感じることができる。この場所は部屋とベランダの境界線が曖昧で、父はサンダルのまま部屋へ上がったり、裸足のままベランダへ出たりと、悠々自適に過ごしていた。そして、そんな場所とこの家族と共に時間を過ごしていると、なんだか不思議と外へ出かけたくなる。きっとそれは、彼らが話していた、流されるままに、常に目の前にある出来事を楽しむ姿勢を目の当たりにしたからだろう。そんな「まいにちを楽しく」をモットーにするなかもと家のように、今日も自分らしく、もう一歩、外に。
<プロフィール>
なかもと家
2020年の5月にInstagramにて、投稿をスタートさせる。4人家族の日常の一コマを、秀逸なコメントとともに発信し、現在のフォロワーは4万人を超える。@nakamoto.ke
photography | Yuta Kato
text | Teneight
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