ストーリー画像-世界自然遺産、奄美大島。その豊かな生態系を守るために。KEENのチャリティTシャツが発売!
ストーリー画像-世界自然遺産、奄美大島。その豊かな生態系を守るために。KEENのチャリティTシャツが発売!

奄美大島の豊かな生態系を守ろう。チャリティTシャツ第2弾発売!

この夏、KEENは奄美大島の生物たちを描いたチャリティTシャツの第2弾を発売します。今回もグラフィックは、KEEN長年のパートナーである絵画作家のGravityfreeによる描き下ろし。アマミクロウサギ、アマミヤマシギなどが描かれています。Tシャツの売上の10%が「奄美野生生物保護基金」に寄付され、野生生物を保護する活動に生かされます。 

奄美大島は、2021年7月26日、徳之島、沖縄島北部、西表島と共に、世界自然遺産に登録されました。鹿児島本土と沖縄との中間に位置し、島の周囲は約460km、面積は約712㎢と国内では沖縄本島、佐渡島に次いで3番目に大きな離島です。近年は首都圏からLCCが就航したこともあって、気軽に行ける「自然あふれる島」として人気が高まっています。

今日は、訪れる人たちを魅了してやまない奄美大島の自然と固有の動植物について、環境省 奄美群島国立公園管理事務所 国立公園保護管理企画官の山根篤大さんにお話を伺いました。

 


多彩な自然環境と動植物が織りなす、豊かな生態系を誇る島

山根篤大さん山根篤大さん(C)奄美群島国立公園管理事務所

「奄美大島の豊かな自然環境は、島のなりたちに由来します。

これは、同時に世界自然遺産に登録された徳之島、沖縄島北部、西表島にも共通することなのですが、これらの島々はかつてはユーラシア大陸とつながっていて、大規模な地殻変動によって大陸から切り離され、長い時間をかけて現在の形になったと考えられています。

大陸から切り離されたあと、周囲を流れる暖かな黒潮や季節風の影響で高温多湿の雨が多い気候となり、亜熱帯の森が発達しました。

実際に奄美大島に来ていただくと、思っていた以上に広さを感じると思います。それは、島の大部分が森林に覆われていて、幹線道路が海沿いを中心に走っているから。急ぎ足ならば1日で1周することも可能ではありますが、景色を楽しみながらゆっくり島を巡ると2、3日あっても足りないくらいです。

太平洋側と東シナ海側では地形がまったく違いますし、サンゴ礁の海もあれば、干潟があったり険しい岩礁があったりと、一つの島の中にさまざまな自然環境と生態系があって、驚くほど多様性に富んでいます」。

 

島の環境に適応して独自の進化を遂げた生物たち

アマミノクロウサギ(C)奄美群島国立公園管理事務所アマミノクロウサギ(C)奄美群島国立公園管理事務所

「奄美大島が世界自然遺産に登録された最大の理由は、アマミノクロウサギに代表される希少な固有種など、多種多様な生物が生息、生育していることです。

例えば、アマミノクロウサギの祖先種は、大陸では生存競争に負けて絶滅してしまいましたが、切り離された島では、環境に合わせて独自の進化を遂げたことで今日まで生き延びました。その他の種も同様で、小さな島の中に、世界的に見ても大変貴重な動植物相が形成されています。

アマミノクロウサギやアマミトゲネズミといった哺乳類の他にも、アマミヤマシギ、オオトラツグミ、ルリカケスといった鳥類、ヒャン、アマミハナサキガエル、イボイモリなどの爬虫類、両生類、アマミセイシカといった植物など、多様な固有種が知られています。世界でこの地域にしか生息していないため、そのほとんどが絶滅危惧種として環境省のレッドリストに掲載されています」。

自然と同じくらい、奄美大島の人や暮らしにも魅力がある

沖にあるタチガミ(C)奄美群島国立公園管理事務所沖にあるタチガミ(C)奄美群島国立公園管理事務所

「奄美大島の魅力は、自然の豊かさはもちろんですが、個人的には自然と同じくらい、島の人たちのあたたかさや、島での暮らしや文化に魅力を感じています。

島の人たちの信仰に、豊穣の国『ネリヤカナヤ』の神様が海の向こうからやってきて、『タチガミ(立神)』と呼ばれる沖合の大きな岩にいったん降り立ってから、集落の中の『カミミチ(神道)』を通り、集落の後ろの『カミヤマ(神山)』に鎮座されるというものがあります。奄美大島では地域ごとに特徴のある『タチガミのある風景』があって、とても大切にされている。

自然と暮らしが確かにつながっていることを感じますし、奄美の自然を大切にするということは、島の暮らしや文化を大切にすることでもあるんです」。

 

奄美大島を旅する前に、ツーリストが知っておきたいこと

人気のマングローブカヌー(C)Choji Nakahodo人気のマングローブカヌー(C)Choji Nakahodo

奄美大島に限らず、世界自然遺産に登録された地域では、急激に入域者数が増えて自然環境に影響を及ぼす「オーバーツーリズム」がしばしば指摘されています。

自然の中に足を踏み入れる人の数は年々増加傾向にあり、少なからず影響が出ているそうです。島を訪れるツーリストに、知っておいてほしいことはあるのでしょうか?

「奄美大島で自然体験をする場合は、「奄美大島エコツアーガイド連絡協議会」が認定したエコツアーガイドの利用をお薦めしています。近年、来訪する方が急増している金作原や、アマミノクロウサギなど野生動物を観察するナイトツアーでは、ガイド利用の推奨や、人数制限などの利用ルールが定められています。

利用ルールは、自然環境の保護や混雑の緩和が第一の目的ではありますが、島の自然や生物の生態についてよく知っているガイドさんと一緒に体験された方が、より多くの生物に出会うことができますし、結果的に旅の満足度も高くなりますので、ぜひ積極的に利用していただきたいと思います」。

今、最も深刻な課題となっているのが野生生物のロードキル(交通事故死)です。アマミノクロウサギについては、奄美大島では2022年に過去最多の計107匹の交通事故死が確認されています。

「島の生物たちには動きがのんびりしたところがあって、アマミノクロウサギだけでなく野鳥やカエル、イモリなどもよく事故に遭っています。

島で車を運転される際は、法定速度を必ず守っていただくこと。そして、夜間や雨の日は生物たちの活動が活発になりますので、より気をつけて運転していただければと思います。また、アマミノクロウサギがよく出没するエリアには注意喚起の看板がありますので、特に注意してください」。

 

Gravityfreeが描く、奄美大島の固有種チャリティTシャツ

アマミフレンズティー2アマミフレンズティー2

KEEN 長年のパートナーである絵画作家のGravityfree。毎年、奄美大島を訪れてインスピレーションを得ているという彼らが、奄美大島の生物たちを描いた「オールドフレンズ イン アマミTシャツ」第2弾が発売されました。

Gravityfreeにイラストコンセプトをお聞きしました。

"奄美大島に生息する希少野生動植物達によって作られたパズルのように複雑な生態系が、奄美大島の大自然を形成している" というイメージでデザインしました。大昔にユーラシア大陸から切り離され島となったことで生き残った動植物達。そんな古い友達が奄美には住んでいる。ということをコンセプトに描いています」。

そしてお二人は続けます。

「奄美大島が世界自然遺産に登録されたことは大変喜ばしいことです。一方、ツーリストが増えることにより大切な自然、島に生息している希少な野生生物たちが危険に晒されることにつながる可能性もあります。 奄美を訪れるツーリストひとりひとりにも配慮をもらえればと願っています」。

チャリティTシャツの売上の10%は「奄美野生生物保護基金」に寄付され、野生生物のロードキル防止策やその周知普及、ロードキルで傷ついた動物たちの治療に必要な道具代、動物の餌代などに充てられます。

奄美の森を体感できる「奄美大島世界遺産センター」

2022年7月にオープンした「奄美大島世界遺産センター(C)奄美群島国立公園管理事務所」

世界遺産への登録からちょうど1年後にあたる2022年7月26日、道の駅 奄美大島住用内に「奄美大島世界遺産センター」がオープンしました。

チャリティTシャツ「フレンドインアマミ2」は、そのミュージアムショップ「frat」で販売されています。山根さんに、センターの見どころをお尋ねしました。

「館内に入ると、まず、奄美大島在住の絵本作家、ミロコマチコさんが描いた島の成り立ちや動植物たちの壁画が出迎えてくれます。

絵本作家、ミロコマチコさんの壁画がお出迎え(C)奄美群島国立公園管理事務所

続く展示室では、実際にはなかなか足を踏み入れることができない奄美の森の世界を、ジオラマ、音声、映像などを用いて再現しています。30分で昼夜が巡り森の一日を体感できるほか、春夏秋冬と季節によって映像や音声が変化する仕掛けになっていますので、ぜひ、何度も訪れていただきたいです」。

奄美の森を再現したジオラマ(C)奄美群島国立公園管理事務所

 

奄美大島世界遺産センター

・開館時間:9:00〜17:00(最終入館16:30)
・休館日:平日木曜日、年末年始(12月29日〜1月3日)
・鹿児島県奄美市住用町石原467-1
・TEL:0997-69-2281
https://amami-whcc.jp/

奄美大島を訪れたら、ぜひ足を運んでみてくださいね。

Tシャツは「KEEN公式オンラインストア」でもご購入が可能です。