9月20日、KEENはグローバル気候マーチに参加しました
「地球、守ろう!」 「Save our future ! Protect our future!」
渋谷のスクランブル交差点に、コールがこだましました。
「Save the PLANET」 「Face the Fact」
ダンボールに書かれた思い思いのメッセージが道ゆく人の目を止めます。
秋の3連休を翌日に控えた金曜日の9月20日(金)。「920 グローバル気候マーチ」という名のアクションが、ファッションの街、表参道、原宿、渋谷を舞台に繰り広げられました。
マーチの中心は、10代の子ども達や若者達。そしてたくさんの大人達。外国人の姿も多く見かけました。世代を超えたこのマーチのイシューは「気候危機を避ける緊急対策を世界のリーダー達に求める」こと。
東京で2800人が参加したのを始め日本の23都道府県、そして世界中の163ヶ国で400万人が参加した過去最大級の気候マーチとなりました。
KEENもこのアクションに賛同しています。マーチ当日は、朝からカスタマーサービスをクローズ。東京と大阪のKEEN GARAGE でプラカード作りのワークショップを行い、マーチにも多くの社員が参加しました。
一人の少女の勇気が、世界中の子どもたちの心を動かした
始まりは、たった一人の女の子の行動でした。 「Friday for the future」(未来のための金曜日)と呼ばれるこの活動を始めたのは、スウェーデンの高校生グレタ・トゥーンベリさん。2018年8月、当時15歳だったグレタさんは毎週金曜日に学校を休んで、一人で国会議事堂前に座り込み、温暖化対策を訴え始めたのです。
その様子がSNSなどで広まると、世界各地で10代の子ども達が次々に授業をボイコットし、街頭で気候危機を訴えるcrimate strikeをスタート。この波はとどまるところを知らず、グレタさんは12月にポーランドで開かれた地球温暖化対策の会議「COP24」に招待されました。
「大人はわが子を誰よりも愛していると言いながら、子どもの未来を奪っています」。会議でのグレタさんのこのスピーチが世界中で報道されると、「Friday for the future」のムーブメントは瞬く間に広がり、2019年3月には120か国100万人もの参加者を数えるまでになっていました。
グレタ・トゥーンベリさんによるCOP24でのスピーチ/国連広報センター(UNIC Tokyo)
そして9月23日の「国連気候行動サミット」を前に、Friday for the futureは、大人達も一緒に行動しようと提案。世界中の全ての世代が応え、9月20日の「グローバル気候マーチ」は、165か国400万人以上が参加する、かつてない規模のマーチになったのです。
「私は、ここにいるべきではありません」
9月23日、国連気候行動サミットで各国の代表を前にグレタさんがスピーチし、強い口調でこう訴えました。
「私は、ここにいるべきではありません。海の反対側で学校に通っているべきなのです。」
「あなた達は、空虚な言葉で 私の夢、そして子ども時代を奪いました」
「私たちは 大量絶滅の始まりにいるのです。それなのに、あなた達が話すことはお金のことやいつまでも経済成長が続くというおとぎ話ばかり。よくそんなことが言えますね
VIDEO
グレタ・トゥーンベリさん 国連・気候行動サミット演説(毎日新聞)
このスピーチは今、議論を呼び起こしています。どの環境活動家も口にしなかったような、怒りに満ちた強い口調だったからです。でも時には涙を浮かべながら訴えたそのスピーチの陰には、理由がありました。
世界各国のリーダー達は、2015年の「パリ協定」で、温暖化による破局を避けるために地球の平均気温上昇を1.5度未満に抑えると約束しました。ところが、IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)の最新の報告書では、各国が発表した排出削減計画では、この目標にまったく足りていないことがわかったのです。
今すぐに気候危機対策をアップデートさせなければ、自分達の世代に破滅的な運命を押し付けられてしまう。彼女を強い口調に駆り立てたのは、そのことをわかっていながら対策に取り組もうとしない大人達への強い怒りだったのです。
プラカードにメッセージを書くことで、自分と向き合う
9月20日のKEEN GARAGE原宿とKEEN GARAGE 大阪は、これまでの金曜日と違うスタートを切りました。ダンボールの切れ端とフェルトペンを用意し、マーチに参加する人のために『気候マーチプラカードメイキングワークショップ』を開きました。
原宿店ではKEENアンバサダーのアーティスト 丸 倫徳(Michinori Maru)さんがデザインや作画のお手伝いをしてくれました。
湘南でサーファーの先輩から海を守ることの大切さを教わってきたという、丸 倫徳さん。一人ひとりが自分ごととしてできることから、と語ってくれました。
OPENと同時に開始したこのワークショップは、午後から夕方にかけ、参加者が増えていきました。外国人の方、親子で来た人、告知を見た人、通りすがりの人。なかには自分のメッセージを書いた後にガレージ前に座り、通りすがりの人に参加しようと声をかけてくれる人も。マーチが始まる17時前には用意していたプラカードは全てなくなっていました。
「何をメッセージしよう?こう考えることで自分と向き合った」。参加者の一人がそう語っていました。ふだんの暮らしでは、なかなか意識することがない気候危機。こうしてメッセージを書くことで、それが他人事ではなくなり、自分に何ができるのか、何を周りの人に言えばいいのか?を考えるきっかけになるのだと思います。
歩きながら、私達一人ひとりにできることを考えた
17時になると、青山の国連大学前の広場は、人で埋め尽くされていました。10代の若者や大学生。制服の女子高生も、小さな男の子もいます。
そして、いよいよマーチが動き出しました。
「デモなんて意味があるのかな?という意見もきっとあると思いますし、何か行動を起こすことって、難しく感じてしまったりもします。」「でも今、メッセージを掲げて車道を歩いている自分がいます。今行動しないと気候危機はますます進んでしまうという焦りがあります」と、参加者の一人は言います。身のまわりを見ても、2018年の記録を塗り替えた猛暑や豪雨、台風は、温暖化がもたらす気候変動による異常気象が原因と考えられる、と気象庁が発表しました※。ボランティアで被災地を訪れた時に肌で感じた被害の深刻さと気候危機がリンクしました。
※気象庁「平成30年7月豪雨」及び7月中旬以降の記録的な高温の 特徴と要因について 」
このマーチが訴えていることは、私達の「気づき」や「意識の変化」かもしれません。私達は、それぞれの立場で、様々な方法で、課題の解決法を見つける力があるはずです。そして、立場や仕事、年齢によっても、答えは様々なはずです。
「これをやらなくてはいけない」ではなく「これをやれば、いい方向へ変えられる」という意識の変化が大事なこと。
10代の姿が目立ったこのアクションでは「#climate justice」=気候正義という言葉が多く聞かれました。Climate Justiceとは、化石燃料を大量消費してきた国々と世代が気候変動の責任を問われるべきで、途上国や若い世代が被害を被っている不公平を正し、生態系や人権に配慮しながら温暖化を解決すべきという考え方です。
もし貴方が仕事上で権限をもっている方なら、生産方法などからドラスティックに変えることができるかもしれません。一般の社員や学生なら、仕事や学校生活の中で無駄な消費をやめる方法を見つけ、改善し、広めることができるかもしれません。
生活の中でも、買う側は環境に配慮した製品を選ぶことができるし、売る側はそんな商品の提供にシフトすることができます。そして、こうした解決法は「気づき」があって初めて見つけられることだと思います。
私達一人ひとりにできることを今、始めませんか。
KEENは、グローバル気候マーチへの参加をきっかけに、これまで以上に気候危機に向き合い、さまざまなアクションを起こしていこうと考えています。
▼関連リンク
*150か国以上同時開催グローバル気候マーチ
*「Climate Justice(気候正義)とは」FoE Japan
*KEEN EFFECT(社会貢献活動・環境保護活動)